デカダンス

日記のような、短編のような、詩のような、俺

散歩

 春からずっとハンガーにかけっぱなしだったお気に入りのベージュのジャケットを着込んで、地面に落ちた銀杏を踏み潰しながら、雨で錆びついたママチャリを漕ぐ。まだ一度も行ったことがない中華屋の前を通り過ぎて、「師走の雨の匂いと〜」なんて口ずさむ。頬をかすめて通り過ぎていく風と、いかにも頭の悪そうなJKの視線はちょっとだけ冷たい。日が暮れるの早くなったなぁ、まだ五時前なのに空はうっすらと暗い。カゴの中では、36巻が揺れている。

 

 こないだ久しぶりに会った笹尾に、

「お前、なんか変わったな。昔はそんな奴じゃなかったぞ。ムカつくわ」

と言われた。素直に喜ぶ気にもなれず、かと言って怒る気にもなれず、あぁ変わっちゃったのかぁ俺、と他人事のように一瞬放心したが、すぐに、いや何も変わってないでしょって思った。変わりたい変わりたいって、駄々こねてた時もあった。でも、それってたぶん変わりたかったんじゃなくて、負けを認めたくなかっただけなんだろうな。いいじゃないか負けっぱなしでも、勝ったり負けたりするよりかはよっぽど楽なんだから。

 

 ヒカキンの動画を見たり、コンビニの廃棄ばかり食っているせいか、笹尾は理解力や頭の回転、社会性など、その他諸々の人間としてのあらゆる能力が落ちているように見えた。「荒んでる」と何度も言っていた。でも、君は何も変わってないね。安心したよ。喋った時に感じる、あのダメな自分が君の奥で共鳴する感じ、メトロノームの奴隷たちには出せない、不格好だけど、嘘のない音、一緒にbaby baby演奏できて楽しかったわ。自分とお前のためだけに編曲した。って言えたらいいな。

 

 

 三日前ぐらいに読者登録してくれた、会ったことも見たこともない女の子。最低限の清潔感がないと受け付けないんだってさ、自慰やら膣やらと書きまくってるこの雑記のどこに清潔感があると言うのだろうか。不思議でならない。書いてる人間も清潔感とはかけ離れた場所にいる。右手だけ爪が長いし、肌は汚いし、無造作系と偽って、髪はボサボサでセットしてないし、服はダセェし、気が向かないと髭は剃らねぇし、煙草も吸ってるし、汗っかきで脇は臭いし、精神はいつも退廃と男尊女卑に憧れている。だけど、バンドが大好きっていうのは同じだね。そこだけ合ってりゃあ他が何もかすってなくてもいいような気がするのは僕だけでしょうか。敬具。

 

 その子のブログを最近読んでるんだけど、飾らない等身大の女の子がそこにいて、悩み怒りながらも、何とか笑いながら生きているのは、みんな一緒なんだなぁとコーンポタージュみたいにしみじみ。今度ライブに出刃包丁持っていくんで、見かけたら声かけてね。(昼寝と冗談を排斥する世知辛い世の中に啖呵を切って)

 

 

 今日受けた哲学の授業で、「人間の心はタブララサ(白紙)のようなものである、そこに文字を書き込むのは経験である」と習った。確かに白紙かもしれないけど、そこに書き込まれるのは文字じゃないだろう。経験から得るものなんて、もっとグチャグチャに歪んでねじれた理解できない芸術作品みたいなものだろうな。そういうものを綺麗な言葉にできたらめっちゃカッコイイよね。なぁロック?

 

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クリームシャープセカンドは3番と4番が好き。 ハンドは9番。

 

愛に飢えて飢えて

 あれは高3の冬、もう少し正確に言うと、センター試験が終わった1月末のことだった。

 

 その日は、二次試験の講習を受けに、朝早くから、一人で学校に来ていた。科目は英語だったか、数学だったか、覚えてないけど、教室の中が異常に寒かったっていうのは覚えてる。暖房が立ち上がったばかりだったのだろうか。

 

 この時の俺が、どんなことを考えて日々生きていたのか。まるまる一年、と言っても、途中でゲームやギターに逃避していた時もあったが(お母さんにこっぴどく叱られた)、ほぼ一年、勉強だけに費やしてきて、やっと、第一関門のセンターを終え、残すところ、二次試験のみとなっていたあの時、俺の心を占めていたのは、センターでまずまずの点数をとったことに対する自信と、ここまできて落ちたらどうしようという、とてつもなく大きな不安だった。

 

 その相反する二つの感情が組み合わさって、虚無感というか、灰色の気持ちというか、そういったなんとも形容しがたいものを作り出していた。今思えば、そこは、ネテロがたどり着いたような、静かな静かな境地だったのだろう。もう二度と、あんな精神状態にはなれないだろうし、なりたくもないが、俺は、そんな白黒の世界の中で、全く見えてこない未来に向けて、進んでるのかも分からないのに、トボトボと毎日を歩いていた、そして分からないままでも歩き続けてくれたから、今、俺はここにいられるのだろう。自分に「ありがとう」なんて言えない。笑いながら「お前、ブッサイクやな」とは言えるけど。

 

 そんで、昼前に講習を受け終わり、荷物をまとめて、一人玄関を出た。

 

 まだ、街は雪景色で、顔に吹き付ける風は、冷たいと言うより痛かった。油断すると、すぐにスッテンコロリん、赤っ恥、といった塩梅で、歩く道はカチカチに凍っていた。小ぶりの雪がしんしんと降っていて、厚い雲の向こうで太陽がわずかに光っているのが見えた。ネックウォーマーに顔を沈ませて、小さく足を前に出した。

 

 玄関と、校門までのちょうど半分ぐらいのところまで歩くと、「お疲れ様」と囁くような声がした。驚いて、顔を上げると(俺は地面を見ながら歩く癖がある)、そこにマフラーをした女の子が一人で立っていた。玄関を出た時から、誰かが立っていることには気づいていたが、目が悪いので、それが誰なのかは分からなかった。声をかけられなかったら、絶対に横を通り過ぎていた。声をかけたのは、クラスメイトの地味な女の子だった。周りには、誰もいなくて、ヒューという風の切る音だけが聞こえていた。

 

 きっと誰かを待っているのだろう。そう思って、「お疲れ」とだけ言って再び歩き始めたら、その女の子は、何も言わずに、俺の横にちょこんとついて、一緒に歩き始めた。なんだこれ? 俺の頭の回転数が、一気に跳ね上がった。

 

 緊張してたんだな俺、何喋ったか全然思い出せないわ笑。ただ唯一覚えてる会話の内容が、テルマエくんのことについてだった。テルマエくんと言うのは、俺の友達。そして、テルマエくんは、その女の子が入ってる部活(新聞局)、に短い間だが入っていた。早い話、テルマエくんは、その女の子と俺のただ一人の共通の知人だったわけ。そんでもって、このテルマエくんと言うのはなかなかにダメな男で、新聞局をやめる時に、詳細は知らないが、一悶着を起こし、その女の子を泣かせてしまったらしい。テルマエくん曰く、「俺は何もしてないのに、あいつが勝手に泣いた。頭おかしいぞあの女」とのこと。人は勝手に泣くかね、コナンくん。

 

 そして、その女の子が言うには、「私、テルマエくんと色々あったのに、そのことに全然気にしないで、喋ってくれたのが嬉しくて、ありがとうって言いたくて、今日待ってたの」とのこと。確かに、君とは何回か喋ったことがあるような気がするけど、いや、聞くに聞けないし、そんなことはっきり言ってどうでもいいでしょう。と思った。てか、どんだけ溜め込んでたんだよ。コナンくんじゃなくてもわかるよ、嘘だなって。

 

 その時、あぁつまりそう言うことなのかと、頭の中で一つの解が導かれた。

 

 いかんせんこんな、絵に描いたような青春の一ページに出くわしたのはそれが初めてだったので、俺もめちゃくちゃに緊張していたが、女の子の方は俺以上に緊張している様子で、言葉を度々詰まらせたり、早口になっていたので、俺はそこまでテンパりはしなかった。なんてったって、俺はこの時、先に書いた静かな境地にいたからね。言葉を探し探しに喋る彼女がちょっとだけ可愛く見えた。

 

 その女の子は、スカートを規則通りに履いて、黒髪を後ろで一つに結び、休み時間は、大抵、文化部員らしく本を読んでいた。決してブサイクではなかった。記憶の美化を疑うかもしれないが、どうか信じていただきたい。肌はすごく綺麗で、白かった。太ってもいなかったし、目もそんなに小ちゃくなかった。眉毛は濃いめ、と言うか全体的に顔は濃いめの、どちらかというとハーフ顔に近かった。ただ、化粧っ気と言うか、女っけと言うか、そう言うものが一切なくて、おまけに元気もなくて、絶対にモテるタイプではなかったと思う。本当は夢見る女の子になりたいけど、なんだか、なりきれなくて、悶々としてそうな感じの女の子。俺は彼女いない歴=年齢の正真正銘の童貞なので、女の子を描写しようとすると、どうしてもチンケなモノになってしまうのが悔しいんだけど、俺も太宰みたいに陰のある女をうまく描写できたらいいんだけど。ごめんあそばせ。

 

 校門を出ると、坂がある。ゆるくて、長い坂。並木道って言うのかな、坂には大きい木が植えられていて、その木は四季折々に変化する。冬は、葉が落ちて、素っ裸になった寂しい木になる。でも、白い雪と相性が良くて、意外と綺麗だったりする。電車で帰る人は坂の下にある交差点を直進して、バスで帰る人は左におれる。俺は、電車、その女の子はバスだった。

 

 坂を下りきって、交差点に着くと、その女の子は、焦ったような顔をして、「ラインを交換したい」と言った。俺は「いいよ」と言った。実はキリスト教なんだって言われても全然納得できるぐらい不思議な女の子だったので、なぜか、クラスラインにいなかった。上着のポケットからケータイを取り出して、ラインのアイコンをタッチして、さぁいよいよ、QRですよ、って時に、俺のケータイの電源がバタッと落ちた。充電はあった。でも、冬の外でケータイを出すと、急に電源が落ちてしまうことがある。信じられないかもしれないが、札幌ではそれが時たまある。それぐらい寒いの。

 

 あぁついてねぇなぁって思った。女の子は、エ〜〜〜と大きな声を上げながら、悲しそうな、そして、可笑しそうな、よく分からない顔をした。俺はそれを見て、笑ってしまった。そして、ちょうど、お迎えですよと言わんばかりに、青いバスが来た。俺は、「ごめん、今度、ラインのid教えるね」と言った。女の子は「うん」と言って小さく頷くと、交差点を左に折れていった。「じゃあね」って言って手を振りあった。

 

 

 

 

 

 それから何日か経った後で、ラインのidをノートの切れ端に書いて、その女の子に渡したんだけど、どうやらidから友達登録できるように、設定されてなかったらしく(このバカタレ)、いや、その女の子の方がもういいやって思ったのかもしれない。結局、その女の子とはそれっきり何も。二次試験が終わった後、ケータイが本当にぶっ壊れて、データが全て飛んだ。だから、もしあの時、その女の子とラインを交換できてたとしても、すぐになくなってしまう運命だった。その時、なんだか、神様というものが本当にいるような気がした。「ぶち殺すぞゴッド」

 

 

 なんでこんなことを思い出したのかと言うと、こないだtetoのライブを見に行った時に、この女の子に似ている人がいて、その子を見て、いろいろと思い出してしまった、というワケ。高校三年間で、俺が唯一確かに感じた、女の子からの好意。最近本当に、周りの女に相手にされず、挙げ句の果てにはいいように使われ、女ひでりの限界に来ていて、秋の夜長もそれを助長して、愛に飢えて飢えて、イかれてしまった俺は、思い出の中の女の子に手を伸ばしてしまった。本当にダサくて、都合のいい、男です。

 

 愛とは一体なんなのだろうか。埋まらない心の隙間を満たす羊水? 孤独を誤魔化す温もり? 着飾った豚の欲望? 頭の悪い俺には難しいことはよく分からない。けれども、一つだけ知っていることがある。それは、HのあとはIだってこと。

 

 

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長かったね。ごめんよ、のどかさん。

 

 

108号室とteto

「台風がなんだってんだよ! バカヤロウ!」

 

絶対に言うだろうなって思ってたら、案の定、開口一番に叫んでた。

 

 

 もう辞めてしまったけど、ちょうど一年前ぐらいに登山部で使ってた水滴を弾く無駄に性能が良いカッパを着込み、愛車のヨウ3号に乗って、tetoのライブを見に行ってきた。

 

 笹尾とずんだ餅の三人で行く予定だったのだけれど、台風のせいで、仕方なく一人で行くことになってしまった。雨は大して強くなかったし、一人の楽しみを知っているから良いんだけど、どうせなら三人で見たかった。ライブ終わった後に、どっかでご飯でも食べようかと画策してたのに、頓挫。なんだか不完全燃焼だったので、家で一人でしゃぶしゃぶをしながら、ビールを飲むことにした。この独り打ち上げの名は、夏休み終わっちゃったよ、にしておこう。まぁずんだ餅とはこないだ遊んだばかりだし、笹尾とは会いたくなくてもいずれ会うだろうし、振替のライブもあるみたいだから、そう気を落とさずに、秋を超えて、冬を待つ。ずんだ餅くんとゴリラくん、その節はどうも。焼肉屋で裏切られた、僕の気持ち。

 

 そんなこんなで、少々雨に濡れながら、と言うか、冷たい雨をバコバコ弾きながら、天井の低い小さなライブハウスに着いてみれば、台風がどうのこうの言ってた割には、人がたくさんいて、オラ驚いた。パッと見た感じの概算だと、6割ぐらいは来てたような気がする。本当に馬鹿な奴らだ。

 

 tetoのライブを見に来る人は俺と歳が近い、「若者」が圧倒的に多くて、その中には、よく見たら薄汚い芋カップルとか、型落ちヤンキーとか、メンソールヘラヘラ女とかも一定数いて、ほんと、バイト先でハぶられてたり、高校の時に便所で弁当食ってたような俺にとっては、ライブハウスという場所は、同窓会の次に肩身がせまい場所なのだ!! (行ったことないし、行く気もないし、行くアテもないが)

 

 ましてや、カッパを着て、メガネをかけてる宮崎勤みたいなやつなんて、いるはずもなく、周りを見れば、清潔感漂う白のバンドティシャツをブルージーンズにインしたちょっと可愛い女の子ばかりで(いや気のせいだとは思うけど、tetoの女ファンは可愛い子が多い気がする)、性欲解放! と言うのは冗談だけど、一昨日ヌイタばっかりだし、マジで満員電車で痴漢積分するより、ライブハウスでした方が、よっぽど効率的だと思いますよ、拝啓、口の臭いオッさんたちへ。

 

 肝心のライブはと言うと、もはや言うまでもなく最高だった。新しいアルバムの曲がほとんどで、あんまり歌えなかったけど、スンゲェ楽しかった。笹尾とずんだ餅は、這ってでも来るべきだったと思うよ(1227)。演奏もさることながら、voの小池さんの暴れっぷりも進化していて、何度も客の方にダイブしてた。俺、三回も小池さんの髪の毛くしゃくしゃしちゃったよ。カートコバーンがダイブしてる映像は見たことあったけど、生で見たのは初めてで、よくわからないけど笑っちゃった。

 

 「この曲がいいんだよ!」とか「この歌詞が好き!」とか、そういう俺の有り余る綺麗な純情はそっと胸にしまっておいて、そう、もう俺は20歳なんだから、純情なんて、他人から見ればやかましいだけなんだから、だけど、だけど、みんなに聞いてほしいなteto。本当にいいからさ、「俺、teto好きな女の子じゃないと、好きになれないよ」とか気持ち悪いこと口走っちゃいそうなぐらい好きなんだよなぁ。なんで好きなのかはよくわからないけど、好きなんだよな。恋ってそうやん。

 

 俺の大学生活の大半は108号室で過ごす無為無策な時間。海外にもディズニーにもいかないで、この部屋で何回もセンズリこいて、何十時間もウイイレして、夜中に泣きそうになって、便所の前でぼんやり食パンかじって、形だけ空腹満たして、換気扇の下で一丁前に煙草吸って、teto聞いて、ブログ書いて、硬いベットで寝て、起きて、学校に行く。それだけ、でもこんだけって、感じの毎日。

 

 たまに、昔に書いた自分のブログの記事を読むことがある。文章力もないし、言葉間違って使ってるし、臭いし、読んでてて痛々しいし、長い。でも、そのまんまの自分がいて、なんだか愛おしい、ような。




秋に汚れて

気になってる女の子が、オススメのバンドを教えてくれた。そのバンドは俺が1番嫌いなタイプの正統派清楚ロックバンドだった。何度もそのアーティストの曲を聞いたけど、やっぱり、好きになれなかった。嘘ついて、「この曲、いいね!」って言おうかと思ったけど、正直に、「あんまりだった」って言った。そしたら、彼女は浮かない顔をした。なんだか、虚しくなって、久しぶりにjohnの曲を聞いた。いつまでたっても変われない自分がそこにいた。

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ベンチ外

 書くかどうか、結構迷ったけど、書く。

 

 

 昨日、いつものように夕方からバイトに行った。休日ということもあり、店はかなり混んでいた。オーダーが連続で立て込み続け、伝票が馬鹿みたいに増えて行く。ため息をつきながら、必死で食らいついた。

 

 こういう、クソ忙しい時は、三人でキッチンを回すのが常なのだが、昨日はマネージャーが、何をトチ狂ったのか、お偉いさん(マネージャーの上司?)とこっぴどく言い合いをし始め(何を言い合っていたのかは分からない)、オーダーが立て込み始めた途端に厨房から出て行ってしまった。残された、俺と、社員のおばさんは、二人でなんとかやろうとしたけど、限界があった。程なくして、マネージャーが戻ってきた頃には、もはや、何から手をつけていいのかわからないほどに、オーダが滞っていた。

 

 なんとか、全てのオーダーを片付け終え、ふと一息ついていると、マネージャーが俺に、「食材の補充をしろ」と言ってきた。生返事を返しつつ、補充を始めたのだが、すぐに、マネージャーが俺の方に近寄ってきて、「君、やる気ある?」と一言。「はい」とだけいうと、低い声で、「一応、俺歳上じゃん、なんかさっきから君の態度見てたら、返事が適当だったり、だるそうに動いたり、俺のこと舐めてるようにしか見えないだよね、すごく失礼じゃないか?」、これにも「はい」とだけ答えると、語気を強めて、「おい、俺の目を見て言え」と脅しのようなことを言ってきた。仕方なく目を見てやると、マネージャーは、じゃなくて大森は、思いっきりガンを飛ばし、俺のことを恐怖で、押さえつけようとしてきた。

 

 虚勢でもなんでもなく、ぶっちゃけ前のマネージャーの方が10倍怖かった。何より、そんなチンケな恐喝でなびくような人間に見られていることに腹が立ったし、自分の過失の腹いせというか、八つ当たりとしか思えない、その馬鹿丸出しの言動に俺は静かな憤りを覚えた。確かに、俺の昨日の態度は最低、最悪だったとは思う。だけど、そこは少しぐらい見逃して欲しかった。俺だって、バイトの分際でも必死に働いたんだ。それにお前だって、明らかに悪いじゃねぇか。連休明けで、なまってんのかしらねぇけどよ、テメェだって十分、やる気ねぇじゃねぇか、このクソ陰茎が!

 

 俺は大森の目を見ずに言った。「そんなこと言われるぐらいなら、もう辞めていいですか、10月いっぱいで辞めます」、すると大森は、キョトンとした顔をした後に、小さな声で、「そうしてくれ」と言った。やっぱり、なめられてた。俺みたいな背の低くて無口な男に、なめた態度とられたことが、よほど気に障ったんだろうな。ほんと、かわいそうな男だぜ、裏で、いろんな奴に悪口言われてたり、仕事ができない奴にだけやたらと厳しかったり、お前みたいなやつは人の上に立つ資格も、器もねぇよ、仕事のストレスでうつ病でも発症して、部屋で首でも吊ってさっさと死ね。ムカつくんだよ、バイトはお前の駒じゃねぇんだよ、金さえ払ってれば、なにしても、何言ってもいいと思ってんじゃねぇぞこの無能野郎が! そう言えば、お前、こないだ、従業員の定着化云々とか、働きやすい職場を目指すとか、偉そうにぬかしてやがったな、ザマァ見ろ、自分で墓穴掘ってんじゃねぇか、いくら無能なバイトでも、いるといないじゃ、全然チゲェンだよ、くそったれが。くそったれが、くそったれが。

 

 アルバイトを探してるそこのあなた、ファミレスでは絶対に働くな。本当に割にあわねぇ。もう一度言っとく、ファミレスでは絶対に働くな。

 

 と言いつつ、なんだかんだ、八ヶ月ぐらい働いたのか。思い返せば、嫌なことの連続だった。一難去ってまた一難。本当にそれだった。大嫌いだったデブのマネージャーがいなくなったと思えば、その意思を引き継いでいた吉田先輩と犬猿の仲になり、バイトの日がめちゃくちゃ憂鬱になった。それでも、人間性は鏡という、言葉を信じてやってみたら、なんとか良好な関係に修復できた。やっと、前向きな気持ちで働き始めたのも束の間、これだもんなぁ〜〜〜。もうほんと嫌になっちゃうな〜。また、歪んだは。また社会にねじ曲げられたは。たしか、緑色の髪の毛の男が言っていたよ「災難ってもんは畳み掛けるのが世の常」だって、俺はそんなかっこいいこと言えねぇ。「災難ってもんはできりゃあ最小限に留めて欲しいってのが、本の音」

 

 今のところ不安はあるけど、後悔はない。また派遣バイトに降格か。

 

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歌に思い出を閉じ込めて

 気づいたらもう九月か。夏休みが半分終わってしまったと思うと、かなり焦るな。八月はバイトづくしで、毎日が灰色だった。でも、ほんとあっという間だった。

 

 サークルの合宿で海に近い田舎町に一週間ばかし行っていた。そんで、今日ちょうど帰ってきた。病院食のような味気ない料理を食べ続けていたので、その反動で、帰ってくるなりに、家系らーめんを食べに行った。カラカラに渇いていた体に大量の油と塩分が染みて行った。やっぱり体に悪いものはうまい。

 

 合宿なんて大げさな、と思うかもしれないが、本当にほぼ一日中練習していたから、合宿って言っていいと思うんだ。俺の入ってるマンドリンサークルはかなり真面目なサークルだと思う。本当、サッカーの合宿とあんま変わらないぐらい疲れた。

 

 駅前にコンビニが一つもなかったり、歩いているのが、ほぼ老人だったり、時間がゆっくりと流れているあの静かな空気感だったり、絵に描いたようなノスタルジーに溢れた田舎町で、日々の喧騒から離れることができた。バイトがない毎日というのは本当に素晴らしいものなんだなぁと実感。

 

 畳の上に薄い布団をひいて、友達と同じ天井を見ながら、バカ話をしながら、眠りに落ちるなんていうのは、たぶん今しかできないことなんだろうな。あと10年もすれば、みんな会わなくなって、会えなくなって、毎日に追われるんだろうな。でも、ふとしたと時に、思い出すんじゃないかな、田舎町に行って音楽をやって、一緒に畳の上で寝たことを、きっと。蒸し返すコンクリートの細い道路を一緒に歩いて、真夜中に波打ち際で、手持ち花火の光から離れて、一緒に立ちションして、笑いあったことをきっと思い出すよ、会社に行く朝、家を出る玄関で靴紐を結んでる時とかに、ふとさ。

 

 合宿や旅行の最終日というのはいつもセンチメンタルな気分になってしまう。畳んだ布団や、のどかな昼の光に照らされた整然とした部屋が、やけに目に染み付いたり、駅のホームの青い椅子をぼんやり眺めてしまったり、音楽がいつもの何倍も脳天を揺らしたり、そんなこと俺だけなのかもしれないけど。

 

 ぼんやりと記憶を辿りながら、日記を書いていたら、土埃が吹き荒れる荒いグラウンドを思い出した。今でもあの時のサッカーボールが頭の中で転がって、オアシスのリトルバイリトルが流れてる。

 

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歌に思い出を閉じ込めて。

 

「ここがずっと痛いから、ここにずっといたいんだ」

 

 突然だけれど、集合写真を撮る時、あなた(お前は)はどこにいてどんな顔をしていましたか? あれってだいたい、いつも同じところに同じような人がいるから、不思議なもんすよね。ど真ん中に座って両手でピースサインしてる女はヤリマン。俺はね、いつも一番端っこに立って、面白くなさそうな顔をしてましたよ。こないだ弟の集合写真見たら、同じように、端に立ってたから、あぁ兄弟なんだなぁって。

 

 友情は放っておいたらすぐに錆びついていくけど、それを止めてくれてるのが思い出とか、記憶なんだと思う。でも、思い出も徐々に薄ぼやけていくから、運転免許証みたいに時折更新しないとダメなんだろう、そうだろう、しまじろう。だから、俺は昔の友達より、今の友達の方が、残念ながら友達だとも思えちゃうもん。俺の隣に立っていた太った男も、きっと今頃そんなことを思ってる。

 

 久しぶりにブログでちょっぴり臭いことを言ったところで、驚くべき事実を書こうか。なんとこのブログの読者の中に、人妻がいる。びっくり仰天。新旧の友達や、売名目的の糞ブロガー(お前の記事クッソ面白くねぇからな、どんだけはてなスター置いてったって、ぜってぇお前のブログなんて見ねぇからな、どっかいけウンコ)や、文章力がカスのアバズレ猫ババァ(撃退済み)や、本当に、類を友を呼ぶとはよく言ったもので、今までこのブログの読者にはロクな奴がいなかったが、とうとう普通の世間さまが俺の日常を覗いてくれるようになった。とか言いながら、日常書いてないや、いけないいけない、書かないと、えーっと、おとといオナニーしました。

 

 その人妻(主婦)がどんな気持ちでデカダンスを見ているのかは知らないが、まぁその事実は嬉しいものだ。チラリとその方のブログを拝見したが、素朴な印象を受ける文で、しばしば描写される人妻の日常には、素人ハメ撮りのような生々しいエロさが漂っていた。ネカマだったらめっちゃ面白いな、あれぇーーーー丘people、なんつってな。

 

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  KISSは俺の親父が大好きなバンドで、初めて聞いた(聞かされた)ロックがKISSだった。男の子の心をくすぐる、バカみたいに分かりやすいメロディ、簡単で強烈なリフ、今聞いたら、すげぇ懐かしい。覆面バンドの元祖なんじゃないか。狼四人組よりも、以外といい曲あるから、聞いてみるといいよ。初めて弾けるようになったギターのフレーズもKISSの曲だったな、もう弾けないけど。