デカダンス

日記のような、短編のような、詩のような、俺

いつかのようにしみったれて

昨日はサークルの飲み会に参加し、まぁ結構飲んだ。一次会も二次会も行ったのだが、なんだか大して楽しめなかったので、終電を逃した同期の男二人を家に呼び込み、客が一人もいないコンビニで酒を購い、俺の家で三次会を開いた。一人は川端という苗字のなかなか面白い酒好きの男で、本当の下の名前は知らないがいつも俺は康成と呼んでいる。遊楽に入り浸り、修行もせずに、毎日酒ばかり飲んでのほほんと生きている感じのダッセェ侍って感じの外見で(でも戦わせたらちょっと強いみたいなキャラ)、シラフでも何処となくヘラヘラしていて、喋っているとこっちまでもがヘラヘラしてしまいそうになる。ただの勘でしかないが、こいつとは深い付き合いになる気がする。

 

別に自慢でもなんでもないが、俺は初対面の男と1分程度喋ればそいつと仲良くなれそうかどうか、大体分かってしまう。分かるのではなく、ただ決め付けているだけなのかもしれない。というか着ている服、姿勢、歩き方、視線、声の大きさとリズムで絶対に仲良くなれないだろうなぁという男は見当がつく。最初の印象が悪くても、話すたびにやっぱりそんなに悪くないかもなぁと思うようにあることは確かにあるが、そういう奴とは結局いつまでたっても二人だけで飯を食いに行くことはなく、環境が変われば連絡を取り合わなくなる浅い薄い付き合いで終わる。

 

自力でコップにお酒を注げなくなるほど酩酊し、自分のしゃっくりに爆笑している康成に「お酒飲んだらさ、女の子に普通に話しかけられるようになるよね」と言うと、うん、うんと首を縦に大きく振りながら肯定してくれた。男三人で入るこたつは本当に暖かく、温んだ体に入ってくる澄み切ったお酒は、喧騒の中手持ち無沙汰で飲んでいたお酒よりも断然うまかった。男ならきっと分かってくれると信じているが、酒を飲みながら女の子と話すというのはとても楽しい。なぜ、キャバクラなどという振り切っていないアホみたいなビジネスが成り立っているのかが最近になるまでイマイチ分かっていなかったが、実際に酒を飲みながら女の子と話してみて、なんて賢いビジネスなんだと心底感心した。でもだからと言って、己の不遇を忘れるために男と呑み交わすお酒が楽しくないわけではない。それにはそれにしかない楽しさと魅力がある。「俺ダメだわ、やっぱり、もう無理、あーあ」とかぼやきながらさ。

 

俺が関心を持つ男にはある共通点があることに気がついた。それは自分のダメな部分(面接で答えるようなことではない)をある程度知っていて、あるいは知ろうとしていて、それを人前で笑いながら曝け出そうとするということである。どうだ俺の恥部を見せてやるよと言わんばかりに暗い過去を話す男には強いシンパシーを感じる。まぁまさに俺なんだけどさ。明日の話ばかりしている奴よりも朝日に照らされながら昨日の思い出を反芻している奴の方が俺は好きだ。

 

耐えきれない尿意を催してベットから起き上がると、康成がこたつにくるまりながら、でかいいびきをかいて寝ていた。こたつの電源落とそうかなぁと思ったが、布団から出ると少し肌寒かったので、そのままにしておいてあげた。10時半ぐらいにふらつきながら起きた康成は三十分ぐらい雑談した後、トボトボと家に帰っていった。別れ際に玄関でハイタッチを求めてきたのでお互いに失笑しながら軽く手のひらを合わせた。

 

気がつけば2017年がもう少しで終わろうとしている。人生は短いってよく言うけど、俺は人生ってめっちゃ長いなぁと感じる。でも、一年ってあっという間だなぁって思うから不思議なもんだ。あれだろ多分、時間っていうのは前から見たら長く見えるけど、後ろから見たら短く見えて、結局のところ本当の長さはわからないんだろうなぁ、そういうことなんだろうアインシュタイン、いつまでもベロ出してないで答えてくれよって、そっか、お前もう死んでんだもんな。

 

 

この曲、昨日深夜の居酒屋で流れていて、あっ!って思って大学のフードコートでtetoのpain pain painが流れた時と同じぐらいテンショ上がって、なんだか無性にビールを飲んでみたくなって飲んでみたら前よりちょっとだけ美味しく感じた。

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