デカダンス

日記のような、短編のような、詩のような、俺

このブログはすべてのインスタグラマーへのアンチテーゼ、とは言い過ぎダーゼ

キャリアケースを持って隣の部屋から出てきた妥協カップル、穏やかな日差しと朝の爽やかな空気、ゴリラの滑らかなギアチェンジ、車に乗りながら聞くteto、道端にあった苔を素手で引っこ抜いて満面の笑みを浮かべながら「お母さんへのお土産」とつぶやいたウンババ(ずんだ)、通りすがった本当の愛とスニーカーを汚した柔らかい泥、高まった食欲を一瞬で幻滅させた道の駅の食堂、滝の前で自撮りをする紺色が大好きな男子大学生三人組、麺をすすれないずんだと、本当はすすりたいのにすすると辛くてむせ返すために坦々麺をすすりたくてもすすれない腹ペコのゴリラ君、「お父さん地図ちょうだい、ちず、ちーず、チーズ」と駄々をこねていた坊主頭の可愛い少年、長い長い階段と眩しい太陽、自転車に激突して自ら服を破いた健啖家で豪放磊落なずんだ餅とスタイルも顔もいいのになぜかモテないゴリラ君、量が少ないレモンサワーとカムカムジュース、沈みかけの夕日に照らされた海はまるで絵の具を垂らしたかのように海面に淡く色鮮やかなグラデーションを作り静かに揺れていた。絶景に群がるおびただしいカップルの群れに嫌気がさして、なんとなく空を見上げると一縷の飛行機雲と青白い月がプカプカと気持ちよさそうに浮かんでいた。

「彼女が全てじゃねぇよこの浅はか助平め」と諭されたような気がした。

 

思い出という名の一瞬を綺麗な写真で残してしまうことが大正義だと主張する全てのインスタグラマーへのアンチテーゼ、写真じゃ拾えない一コマにも六百円ぐらいの価値はきっとあるから、文章にしかない良さがきっとあるから、もうちょっとブログ人口が増えてくれたら俺は嬉しいなぁ(それも嫌かぁ)