デカダンス

日記のような、短編のような、詩のような、俺

お弁当

例の苦手な太っちょの店長が辞めて、新たにベジタリアンみたいなヒョロイ男がやって来た 。コタツ片付けて、窓開けて、ざるうどん食ったら夏っぽかった。

 

今日、サークルの同期の女の子に勇気を振り絞って「おはよう」と声をかけたら「おはようございます」と頭を下げられて、なんだか悲しくなった。けれども、そんなことにはもう慣れっこ。強がんなって、弱虫のくせに。

 

それはそうと、

一日に、かにちゃんと笹尾とtetoのライブに行ってきた。

 

偉そうに音楽好きを公言しておきながら、実はライブには一度も行ったことがなく、今回が初ライブだった。

 

天井の低い、こじんまりとしたライブハウスだった。パッと見イケイケだけど、よく見たら自分と大して変わらないような奴らがたくさん来ていて、同族嫌悪を感じながらも、仲間意識も感じた。こいつらもteto好きなんだぁ〜って感じで。

 

ほどなくして、前座のバンドの演奏が始まった。いまいちノリ方が分からず、後ろの方で頭を適当に揺らしながら、腕を掲げて乱雑に蠢く観客たちと、時折間から顔を覗かせるバンドをぼんやりと眺めていた。へぇこれがライブかぁすげぇなぁ〜って感じで。

 

歌はあんまり好みじゃなかったけど、臭い臭いセンチメンタルなMCがなぜか、心に響いてしまった。演奏が終わると、羽織っていた上着を脱いで、前に移動した。

 

多少焦らされながら待っていると、さらっとtetoが出て来た。途端に新曲をぶっ放して一気に会場のボルテージと密度が跳ね上がった。満員電車どころの話じゃない、後ろの奴の前歯が後頭部にぶつかり、隣にいた女の二の腕が頬に密着し、耳元で耳鳴りのような叫び声が発せられ、湿ったティシャツが擦れ、汗と体の匂いが立ち込んで、酸欠寸前で前後左右から飛んでくる一発レッドのタックルを受け止めながら、必死で叫んだ自分の声は喧騒に掻き消された。不快が崩壊した脳内で、興奮だけが叫びまくっていた。

 

voの小池さんが

 

「tetoのライブに来る人は新しい職場でも学校でもきっとうまくやっていけない」

みたいなことを言っていて、ほんと分かってるなぁって思った。

 

しょうもない自分なんかどうでもよくなるくらいに、我を忘れて楽しんだ。音は煩い、煙草も臭い、でも見える世界は眩しかった。

 

もちろんメロディも好きなんだけど、それ以上にtetoの歌詞が好き。鬱憤を代弁してくれて、それでいて流れが抜群に良くて、言葉選びがお茶目なんだけど秀逸で、かじけた情景と褪せた思い出が頭に浮かんで、ついつい口ずさんじゃう。もう、最近は毎日自転車を立ち漕ぎしながら、散り始めた桜なんて御構い無しに一生懸命teto聞いてせっせと一緒に歌ってる。これだけが唯一の楽しみ。

 

また行きたい、に尽きる。

 

ライブの後に三人で鱈腹焼き鳥食って酒飲んで、アイス食ってだらだら歩いた。夜風が気持ちよかった。

 

それはさておき、カニちゃんに久しぶりに会ったわけだが、喋っているとひどくセンチメンタルになってしまった。色んなこと思い出してちょっぴり悲しくなって、思い出せなくてまた悲しくなって、感傷。

 

ライブではしゃぎすぎたせいか、バカのくせにカニちゃんは次の日に風邪をひいて、高熱を出した。やっぱりバカは俺だった。

 

公園で食った弁当なまらうまかったな、またこいよ。

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