デカダンス

日記のような、短編のような、詩のような、俺

札幌

実家にて、

 

札幌郊外の寂れた町、米里。工場とコンビニとラブホと精神病院しかない、曇り空が似合う町。そう、ここが俺の故郷。否が応でも、ここに帰ってくると、たくさんの思い出が蘇ってくる。みんなにもあるでしょう、そんな、ユートピアみたいな場所が。

 

あいにくの雨模様ではあるが、さすが北海道、本当に涼しい。涼しいを通り越して、もはや寒いぐらいだ。エアコンもつけず、扇風機も回さず、窓も開けない、それでも涼しいってんだから、おかしな話だ。なんでこんな住みやすい場所をでて、あんな地獄鍋みたいな場所に行ってしまったんだろうか。まぁ住みやすいけど窮屈だよな。実家の自分の部屋のベットに横たわり、天井の模様を眺める。あぁ不思議な感じ。

 

ジンギスカンをビールで流し込み、母の作った豚汁(ぶたじると読むか、とんじると読むか(打ち上げ花火を上から見るか下から見るか、を踏襲))をすすり、美味い米にがっつけば、都会のゲロ飯でバカになっていた俺の短い舌も、元の肥えた舌に戻った。ちなみに、豚汁とジンギスカンは俺の大好物だ。息子と酒を飲み交わすことができて、親父はとても嬉しそうだった。紅潮した顔で、

 

「俺が死ぬまでに、嫁さん連れてこいよ」

 

と親父は言った。最近、親戚のお兄さんが結婚したので、きっとその影響なのだろう。俺はアラサーの独身女じゃないんだから、まだそんなこと言わないでくれ。悪かったね、浮いた話は一つもないよ。

 

チューニングはすぐ狂うし、弦高高すぎてカポはつけれねぇし、埃まみれだし、ほんとジャンク品の名に恥じないイカれアコギをジャガジャガと、木の壁に囲まれながら、低いベットの端に座って、ジャガジャガと。

 

 

今度帰ってこれるのは、春でしょうね。元気でね、カメきち。