デカダンス

日記のような、短編のような、詩のような、俺

歌に思い出を閉じ込めて

 気づいたらもう九月か。夏休みが半分終わってしまったと思うと、かなり焦るな。八月はバイトづくしで、毎日が灰色だった。でも、ほんとあっという間だった。

 

 サークルの合宿で海に近い田舎町に一週間ばかし行っていた。そんで、今日ちょうど帰ってきた。病院食のような味気ない料理を食べ続けていたので、その反動で、帰ってくるなりに、家系らーめんを食べに行った。カラカラに渇いていた体に大量の油と塩分が染みて行った。やっぱり体に悪いものはうまい。

 

 合宿なんて大げさな、と思うかもしれないが、本当にほぼ一日中練習していたから、合宿って言っていいと思うんだ。俺の入ってるマンドリンサークルはかなり真面目なサークルだと思う。本当、サッカーの合宿とあんま変わらないぐらい疲れた。

 

 駅前にコンビニが一つもなかったり、歩いているのが、ほぼ老人だったり、時間がゆっくりと流れているあの静かな空気感だったり、絵に描いたようなノスタルジーに溢れた田舎町で、日々の喧騒から離れることができた。バイトがない毎日というのは本当に素晴らしいものなんだなぁと実感。

 

 畳の上に薄い布団をひいて、友達と同じ天井を見ながら、バカ話をしながら、眠りに落ちるなんていうのは、たぶん今しかできないことなんだろうな。あと10年もすれば、みんな会わなくなって、会えなくなって、毎日に追われるんだろうな。でも、ふとしたと時に、思い出すんじゃないかな、田舎町に行って音楽をやって、一緒に畳の上で寝たことを、きっと。蒸し返すコンクリートの細い道路を一緒に歩いて、真夜中に波打ち際で、手持ち花火の光から離れて、一緒に立ちションして、笑いあったことをきっと思い出すよ、会社に行く朝、家を出る玄関で靴紐を結んでる時とかに、ふとさ。

 

 合宿や旅行の最終日というのはいつもセンチメンタルな気分になってしまう。畳んだ布団や、のどかな昼の光に照らされた整然とした部屋が、やけに目に染み付いたり、駅のホームの青い椅子をぼんやり眺めてしまったり、音楽がいつもの何倍も脳天を揺らしたり、そんなこと俺だけなのかもしれないけど。

 

 ぼんやりと記憶を辿りながら、日記を書いていたら、土埃が吹き荒れる荒いグラウンドを思い出した。今でもあの時のサッカーボールが頭の中で転がって、オアシスのリトルバイリトルが流れてる。

 

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歌に思い出を閉じ込めて。