デカダンス

日記のような、短編のような、詩のような、俺

なんとも言えない気分

 最近、と言ってもここ一週間ぐらいのことなのだが、なんとも言えない気分になるような出来事が多くて、その思いを客観的な言葉にしようとすると、すごく難しいんだけど、なんかちょっとだけ、今日、自分の中で言いたいことが固まったから、筆をとってみることにする。窓の隙間風が冷たくて、いつのまにか11月。あぁ今年も終わっちゃうね。

 

 こないだバイトを辞めてきた。最後なのに、クソ忙しくて、会いたくない人たちにもたくさん会っちゃって、気まずかったな。死ねクソ野郎って、言いながら、駐車場に唾でも吐いてやろうかと思っていたんだけど、営業を終えて、社員のおばさんに挨拶をしに行ったら、お疲れ様って言いながら、短い手紙を添えて沖縄のオリオンビールを一本くれた。「これ私が一番好きなビールなの、しっかり冷やして飲んでね。本当にお疲れ様でした」、これを聞いて、俺は無意識に深々と頭を下げていた。なんとも言えない気分になって、裏口から逃げるようにして、店を出た。家に帰って、煙草を立て続けに3本吸って、もらったオリオンビールを、ろくに冷やさないまま飲み干した。ぬるくてあんまり美味しくなくて、でも、なんか、ぼんやりとして。

 

 これもこないだのことなんだけれど、山本っていう男が何も言わずにサークルを辞めた。山本っていう男は、今年の春にサークルに入ってきたやつで、メガネをかけたちょっぴりデブのオタクヅラ。インキャっていう言葉は、自虐とか冗談の類の言葉であって、本当に見えない部分で生きているような奴は自分のことをインキャって絶対に言わない。言ったとしても、それはシリアスなトーンだろう。そういう意味で、山本は本当に見えない部分で息をしているような男だった。洋楽が好きで、ブロックパーティとかフランツフェルディナンドとか、そういう日本人的にはかなりコアなバンドが好きで、彼と話すのは、いつもその話題だった。俺の入っているマンドリンサークルのクソみたいなブルジョワジーどもは、ミスチルとか、米津とか、星野源とか、そういう大衆音楽が好きな奴がほとんどで、本当に肩身の狭い思いをしていたんだけれど、初めてそういう奴ができて、俺はとても嬉しかった。一緒にお酒を飲んで、一緒に海辺で立ちションをして、やっと心が通じ合ったかなって思ったところだったのに、彼は去ってしまった。大学に入ってから、人間関係が広く浅くなって、まぁこういうことにもなれっこなんだけど、やっぱりちょっと悲しくて、もう会えないのかぁって思うと、ちょっとだけ寂しくて、飲み会で山本のことなんかすっかり忘れて、楽しそうに笑っている奴らを見ていたら、ちょっとだけムカついて、でも、こんなもんなのかって思ったりもして、やっぱり、なんとも言えない気持ちになった。

 

 最近、気になっているサークルの女の子と普通に、自然に喋れるようになって、俺的にはかなりいい調子なのだけれど、とその前に、笹尾はもう多分この女の子が誰なのかは気づいてると思う、まぁ変な目で見ないで、暖かく気長に眺めててよ。不完全燃焼の恋をさ。まぁ多分俺、この子のことが好きなんだけれど、告白に踏み切る力がやっぱり出なくて、モヤモヤとした気持ちを抱えてる。自信もないし、傷つきたくもないし、頑張りたくもないんだけど、でも、やっぱり好きなんだろうな。自分で言うと、嘘っぽいけど、俺、とんでもなく一途なんだよ。とまぁ、何か行動を夢見てる自分がいる一方で、現状を維持していこうとしている自分も確かにいて、そのどちらがいいのか本当にわからなくて、もうどうでもいいや、って言う思いについつい逃げてしまう。それに疲れも相まって、またなんとも言えない気分になる。あぁ伝わらねぇ。もういいやウイイレやろう。

 

 その女の子の言動に、勝手にムカついたり、勝手に喜んだり、勝手に悲しんでるんだけど、一歩引いて、そんな自分を眺めてみると、本当にダセェなぁって思って、17の時みたいに純情に振り回されるのはもうごめんだなぁって感じ、20歳。純情にふり回されていた方が格好いい気もするけど、わっかんねぇ〜。彼女はすごいモテるよ。やばいね。ちんたらしてられないことはわかってるけど、ちんたら行くわ。そんで、まだ行けそうだったら、新世界に一歩を踏み切ってみる。

 

 煙草を吸うと、なんとも言えない気分が少しだけ和らぐ。ちょっとだけ気持ちが楽になる。でも、俺はいったいどこに向かっているのだろうか。やっぱりわからない。この気持ちもやっぱりわからない。

 

 もう冬ですね。秋どこ行っちゃったんでしょうね。忘れましょうか。

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